DOGRUN FANCLUB 『ALTERNATIVE CITY STORIES』リリース によせて

 『Welcome to UNDERGROUND』8月号(織棚社)

 

[EYEの憧れる人]


 先月行った武道館公演のチケットは販売開始5分で即完売。紅白歌合戦の出場内定。最新のシングルは世界陸上のテーマソングにも起用され、今や日本を代表するロックバンドとして他の追随を許さないDOGRUN FANCLUB。

 『国会議事堂前に108個のメタルゾーンを等間隔に配置』や『サミットにおける各国首脳の椅子に「机上の空論」と記されたメタルソーンを接着』などの抽象概念的でおそらく反体制的なインスタレーションが一部の極めて偏った過激派からカルト的な支持を受け、世界的にも『東洋のバンクシー』と呼ばれてもおかしくない勢いであるビートメーカーt.frtm。

 一見、全く異なるシーンで活躍する両者には、実は意外な接点が。


 そのヒントはDOGRUN FANCLUBの伝説的アルバム『ALTERNATIVE CITY STORIES』に隠されていました。10年前に発売された本作が、なぜ今、再び話題となっているのか。

 DOGRUN FANCLUB のGt,Voである池田さん、t.frtmこと古富さんにお話を伺いたいと思います。


EYE:まずは、お二人の出会いを教えてください。

古富:同じ大学の、軽音サークルですね。

池田:そうです。僕が入学した時、古富さんは4年生でした。

EYE:あ、もういきなりヒントというか、答えを言ってしまうんですね。

池田:笑 地元は同じ山口県なんです。

古富:そう、僕は宇部で、池田は防府の出身で。

EYE:山口県といえばレイジング(現在は廃業)というライブハウスにて、Ayase(YOASOBI)さんも頻繁にライブしていたようですが、おふたりもやはりそこで鎬を削ったのですか?

古富:いやー、どうだったかな。

池田:僕はちょくちょくライブさせて頂いてましたね。

古富:あ!昔、オーナー?から「BLUE ENCOUNTと対バンさせてやろうか?」って聞かれた時に「僕そのバンド嫌いなんでいいです」って答えたら、2度と呼ばれなくなりました。

池田:なんですか、その話笑


EYE:ファンの間では『ALTERNATIVE CITY STORIESがリリースされた際、DOGRUN FANCLUBの公式ツイッターにて告知されたツイートを古富さんが『グランドセフトオートじゃん』と引用リツイートしていた』という情報が拡散され、両者の関係性を考察するムーブメントが発生しました。そのことについては、どうお考えですか?

古富:それは、間違いなく僕です。今思えば、当たり前のこと言ってるだけですね、グランドセフトオートですもん。でも、それが10年経ってからムーブメントになるとは思いませんでした。

池田:いや、本当に。


EYE:ムーブメントではお二人の関係性をはじめ、様々な考察が提議されました。その中で『DOGRUN FANCLUBがSEで使用している楽曲『鬼の居ぬ間に』の本当の作者は、t.frtmなのでは?』という考察もありました。知っての通り、当曲の作者は久石穣として昨年リリースされ、瞬く間にミリオンヒットとなった国民的エレクトロチューンです。本当の作者が古富さんとすると、大問題ですが、実際のところいかがでしょうか。

古富:はい、僕が作りました。

池田:そうですね、古富さんです。で、それを使っていたら久石穣が「これ、えぇやん!」っつってiPhoneで録音しだして。気がついたらなんかリリースされてました。

古富:あれは、びっくりしたなぁ笑

池田:ね笑

EYE:わわわ。すげぇやん。

池田:ね笑

古富:ね笑


EYE:ALTERNATIVE CITY STORIESに収録されているSUPER SPEED BOY にて『マキシマムザホルモンのコピーバンドがしたくて入った軽音サークルの新歓ライブで掻き鳴らされたノイズの海のことを思い出していた』の歌詞にも、『これってt.frtmのこと?』といった考察が沢山寄せられています。

池田:楽曲における僕と古富さんの接点と言えば、そこだろうなとは思ってました。

古富:まぁ、間違いないねよね。

EYE:とすると、事実である、と。

古富:はい、事実です。僕が大学1年生の時、学園祭でマキシマムザホルモンのコピーバンドをやったんです。それを当時、高校生の池田が見にきてたんですよね。

池田:そうそう。しかもその時、古富さん女装してて笑

古富:いや、やめろし!笑

池田:セーラー服着て、足元はメタルゾーンだけっていう笑

一同:爆笑

EYE:それで、池田さんは同じようにマキシマムザホルモンのコピーバンドが組みたくて、軽音サークルに入部した、という訳なんですね。

池田:そうなんです。それがなければ、この曲は作れていませんでした。

古富:光栄です。


 人と人の巡り合いは、いつでも途方もない奇跡の連続の果てにある。だからこそ、その一つ一つを振り返って、私たちは変え難い喜びを抱きしめるのだ。私も、あなたも、ALTERNATIVE CITY STORIES の1ページなのだから。 fin.




 それぞれの楽曲の完成度がバチたけぇなって思いました。またすげぇアルバムを作りやがって!本当に、おめでとうございます。これからの活動、楽しみにしてますし、応援してます。 


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