現場とバックオフィス

   私の勤める会社は、大阪に本社を置いている。そこには総務やらシステムやら色々ある訳だが、私たち営業と最も関わりがあるのが業務部である。その名の通り、営業のサポートを行う部署。しかしながら、ちょくちょく現場と衝突する。これは割と会社あるあるな気もする。現場とバックオフィスは相容れないというか。そっちはそっちで苦労があるのだろうが、現場を吐口にされてはたまらない。今回はそんな話。


 私たちはしばしば、本社から『この商品をPRしてくれ』なる要請を受ける。それは一つ百円のものから何百、何千万円のものまで。数ヶ月前、とある会社が開発したSTREAM(仮名)と言う名のソフトをPRするようお達しが来た。


 STREAMの価格は三百万程度。省人化の類のソフトで、導入による効果はかなり期待のできる、画期的で有力な商品。しかも商権はウチだけが持っている。売れない筈がない。と、考えたのは業務部でありこの案件の担当O氏。

 

 O氏は、STREAMを拡販、受注するよう強く全国の営業所にプッシュした。が、クソほど売れない。マジでもう、全国でたったの一つも。


 あまりに売れなさすぎるので、O氏は販売よりもまず、それに至るまでの過程として、ユーザーに対しメーカーによる実演のアポイントをとって来ることを急務とした。『とにかく、商品を実際に見てもらおう!』ということだ。それはそうだと思う。


 そして、闇雲にPRしてもロスが出るので、業務部によって全ユーザーからSTREAMがマッチする可能性がある会社規模/販売履歴を抽出したリストが作成され、そこをマストでPRすることになった。これも正しいと思う。


 さらに営業担当の商品知識を深める為に、webでの勉強会も実施。TGリストもあり、知識も身につけ、必要な資料も配られ、あとはもう実演のアポをとるだけ。さぁお膳立ては十分しましたよって話だが、これでももう全くダメでした。ビジネスって、むじぃ〜。


 その中で、3ヶ月くらい前かな、私はある会社(以下、T社)から、実演のアポを頂いた。『話聞くくらいならいくらでも〜』って感じで。しかし、その直後からT社はO林組と大揉めして(前に書いたH島駅関連で)、それどころではなくなってしまい、今日に至る。


 なまじ、私が実演のアポを頂いたことをO氏に報告していただけに、O氏から私へ度々進捗の確認連絡がきた。上記、O林組の件も報告しているのだが。

 そして一昨日、またO氏から私へ連絡。これまではチャットだったが、今回は電話がかかってきた。私は今一度、T社は未だに極めて多忙であり、STREAMに対する熱は冷めている、と伝えた。するとO氏は、苛立ち気味にこう言い放った。


『ほんなら、T社にコロナ感染させて、もっかい熱出させぇ!』


 は?これがなにわのギャグセンでっか?!ぎょうさんおもろいでんがな!

 わては金輪際STREAMは売らへんよってに。ほなほな、おおきに!!


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