History of ZKK #1

  音担当:フルトミ(t.frtm / 富美山混沌核)と体担当:ナワタから構成されるアヴァンギャルド・パフォーミングアート 全員かかってこい(Zen-in Kakatte Koi)。2人の出会いは、10年以上前まで遡る。


 山口県立小野田高等学校1年3組。フルトミとナワタは同じクラスで出会った。出席番号が近かったことか、お互いに地味な格好をしていたことか、これと言ったきっかけは覚えていないものの、何かシンパシーを感じ2人はすぐに友達になった。2007年のことだ。


 入学当初、2人とも教室の隅で静かにしている、言ってみればそう、隠キャだった。クラスの一軍、怖い先輩、ギャルグループから十二分に距離をおき、彼・彼女らから決して認知されないよう、大喜利やダンス、ストバスに興じていた。ナワタはブレイクダンス、フルトミはストバスにハマっていて、それを披露したり、教え合ったり、各々で練習したりと楽しんでいた。その様はまさにアンダーグラウンド。私たちは誰に見られ/認められるでもなく、ただひたすら仲間内だけで、そのスキルを磨き続けたのであった。


 2007年6月、転機が訪れる。文化祭だ。ナワタはステージでウィンドミル(グルグル回るやつ)を披露し、スーパーブレイクを果たした。ダンス部など無いし、ブレイクダンス自体誰も知らないような学校だったので、それはもう衝撃以外の何者でもなかった。

 一躍、時の人となったナワタはクラスの一軍から一目置かれ(むしろ擦り寄られ)、ギャルグループの彼女も出来た。イケイケのイケだ。何者でもない、ただの友達であるフルトミも何かを成し遂げたような顔で、気持ちだけはそのビッグウェーブに乗っていた。誰からも見えないよう、隠れてやっていたそれまでの遊びを、あろうことか人通りの多いジャスト(近所の本屋)の駐車場でやったりもした。


 数ヶ月後、完全に調子に乗っていた私たちのもとへ怖い先輩Nさんが現れ、釘を刺された。

『お前、ブレイクダンス出来るかなんか知らんけど、調子に乗んなよ。』

 ナワタは「すみません!」と、すごく綺麗に頭を下げた。Nさんにとって眼中にないフルトミは、何も言われることはなかったが、とにかく隣でブルっていた。ブルブル。結果、2人はまた、アンダーグラウンドに潜る事になる。決して誰にも見つからないよう、もっともっと深いところへ。Nさんへの怒りを、何よりNさんに屈服した己の情けなさをエネルギーに変えて。



ZKK 最新のライブ映像 参考として






人気の投稿