トラウマ新人研修備忘録① 概要と3人の講師



 これは私が大学を卒業し、最初に入社した会社で実際に参加した社員研修の記録。たったの7年前のことではあるものの、あまりに今(2020年)の仕事観、働き方とはかけ離れた過酷で時代錯誤な研修を、忘れない為にもこうやって書き残そうと思う。


 まずこの研修の目的は『新入社員の心を一度へし折り、自らの限界を思い知らせる』こと。肉体的、精神的にも非常に過酷なこの研修において、ほぼ全ての社員が涙を流す。

 研修は毎年新入社員を対象に実施されていた。「されていた」というのがキーポイントで、現在はすでに廃止されている。最後に受講したのが、他でもない私とその同期たちなのだ。ちなみに22,3人いた同期だが、7年目に残ったのは6人(たぶん)。はやく辞めればいいのに、マジで。

 場所は岩国市は由宇の山奥。電波はろくに入らず、電車もバスも無い。近くにコンビニなどあるはずもなく、強いて言えば自動販売機だけがあった。つまり、逃げることが出来ない場所に軟禁された上で実施される訳だ。期間は確か3泊4日だったと思うが、その当時は本当に本当に長く感じた。

 

 肝心な内容については次回以降詳しく述べるとして、今回は講師の3人を紹介する。 


 講師①(メイン):N氏 50代男性 役職:リーダー 

 熱い男。法人担当だが、営業成績は極めて悪い割に、カッとなりやすくお客様にもキレてしまう無能社員。この研修が彼の命綱であり『己の全てを捧げている。』と豪語していた。しかし、前述した通りこの研修は廃止され、彼はしっかりとグループ企業へ出向となった。


 講師②(サブ):K氏 30代女性 役職:マネージャー(部長クラス)

 採用業務や新人研修全般を執り仕切る。若くして部長クラスに君臨する優秀なバリキャリ。と見せかけて、蓋を開ければ社長の娘。極めて普通の女性。当時「マネージャー」という役職は彼女1人だけで有り、その為に用意されたポストってのは明白。社用車にプリウス、自家用車はベンツ。でもまぁ、優しくて良い人だったなぁ。後にその社長は訳あって更迭され、程なくして彼女もN氏と同じグループ企業へ出向となった。


 講師③(サブ):I氏 40代男性 役職:部長

 経営全般を執り仕切る2人の部長のうちの1人。執行役員で、実業務においては最高権限を持つ。基本的には、明るく豪快で茶目っ気もある「人気者」的な部長。釣りが趣味でめちゃくちゃ日焼けしている。色々と訳あってN氏、K氏と同じグループ企業へ出向を命じられたが拒否、自主退職をした。


 つまり、「講師全員、もう会社にはいない」ということ。ちょっとドキドキしませんか??では、一体どんな研修があったのか、記憶に残っているトラウマ研修を次回からひとつずつご紹介いたします。以上、よろしくお願いします。


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